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漫画の「1巻初版」が高くなる話を見ていると、つい「発売日に初版を買っておけば勝ちだった」と考えたくなります。
でも、過去の実売を追うとそんなに単純ではありません。今回かなり象徴的だったのが、『葬送のフリーレン』1巻初版が2024年に1,200円でSOLDしていた記録です。
しかも、出品は2024年2月20日、購入は6月5日。TVアニメ第1期の放送中に出品され、アニメ終了後まで約106日かかって売れています。
一方、同じ「人気漫画の1巻初版」でも『カグラバチ』は、2026年になると条件の良い第1刷に数万円のSOLDが見られる市場へ成長しました。
では、漫画1巻初版の価値はいつ生まれるのか。今回はフリーレンの2021年・2024年の実売記録、2024年末に専門店が指摘した市場変化、カグラバチの現在を並べて考えます。
- まず事実整理|フリーレン1巻は2020年8月18日、594円で発売
- 2021年|マンガ大賞・200万部でも未開封初版+特典が2,000円
- 2024年|さらに象徴的な「1,200円SOLD」
- しかも、この1,200円はアニメ放送後の話
- 「2024年には初版ビジネスがなかった」のか?
- 2024年は「初版市場が変わり始めた時期」と考えると面白い
- 昔と今で変わったのは「見る順番」
- カグラバチは、その変化が速かったケース
- 初版価格は「階段状」に動くのではないか
- だから今追うべきなのが『千仙戦記』
- 重要|1,200円がそのまま数万円になったわけではない
- まとめ|初版の価値は「発売日」ではなく、作品の歴史の中で作られる
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まず事実整理|フリーレン1巻は2020年8月18日、594円で発売
『葬送のフリーレン』1巻は2020年8月18日発売、定価594円(税込)でした。
現在の初版相場だけを見ると「最初から特別な1冊だった」ように見えますが、当時は普通に書店で買う新刊コミックスです。
2021年|マンガ大賞・200万部でも未開封初版+特典が2,000円
2021年3月、『葬送のフリーレン』は「マンガ大賞2021」を受賞しました。小学館の発表では、この時点で1〜4巻の累計発行部数は200万部を突破しています。
ここまで材料がそろえば、今の感覚では「1巻初版がかなり高そう」と思います。
しかしYahoo!フリマには、2021年4月4日に出品された新品未開封・シュリンク付きの1巻初版+4巻特典ポストカードが2,000円でSOLDした記録が残っています。購入日は2021年5月29日です。
実売記録:Yahoo!フリマ「葬送のフリーレン1巻初版特典付き」
つまり、マンガ大賞受賞、200万部突破、未開封初版、特典付きという条件でも、当時は2,000円で取引されていました。
2024年|さらに象徴的な「1,200円SOLD」
今回もっとも注目したのがこの取引です。
2024年2月20日、Yahoo!フリマに「葬送のフリーレン 初版 1巻」が1,200円で出品されました。商品説明には「1巻 初版」と明記され、帯の状態は良くないものの、本自体は綺麗とされています。
そして購入日時は2024年6月5日。
出品から約106日。
実売記録:Yahoo!フリマ「葬送のフリーレン 初版 1巻」1,200円
しかも、この1,200円はアニメ放送後の話
TVアニメ『葬送のフリーレン』第1期は2023年9月から2024年3月まで放送されました。
つまりこの1,200円の初版は、アニメ放送中に出品され、アニメ終了後もしばらく残ってから売れたことになります。
ここから分かるのは、少なくともこの時点では「アニメ化=1巻初版が即数万円」ではなかったということです。
「2024年には初版ビジネスがなかった」のか?
これは半分正しく、半分違うと思っています。
初版・帯・付属品を評価するコレクター文化は、ずっと以前から存在しました。
まんだらけも2024年12月の記事で、初版や帯付きに価値を見いだす考え方は昔から日本にあり、自社でも以前から初版評価を続けてきたと説明しています。
同時にその記事では、ここ最近、人気タイトルの1巻初版が非常に高額化し、一部で注目を集めているとし、海外のレーティング機関や海外コレクター参入による価格帯の上昇にも触れています。
2024年は「初版市場が変わり始めた時期」と考えると面白い
ここで2024年の前半と後半を並べると、かなり面白いです。
- 2024年2月:フリーレン1巻初版が1,200円で出品
- 2024年3月:TVアニメ第1期終了
- 2024年6月:1,200円の個体が約106日後にSOLD
- 2024年12月:まんだらけが「ここ最近」の1巻初版高額化と海外コレクター参入に言及
もちろん、この2件だけで「2024年に市場が生まれた」と断定はできません。
ただ、昔からある初版収集の文化と、現行人気漫画の1巻第1刷を発売直後から狙う現在の市場の間に、2024年前後で変化があったという仮説は十分追う価値があります。
昔と今で変わったのは「見る順番」
以前は、作品が名作になった後で「昔の初版を探す」という動きが中心でした。
今は逆です。
「将来大きくなるかもしれないから、今のうちに1巻第1刷を残しておく」
この視点で新刊を見る人が増えています。
さらに見る条件も細かくなりました。
- 奥付が第1刷か
- 初期帯が残っているか
- 発売当時のチラシ・刊行案内があるか
- 書店特典が残っているか
- シュリンク未開封か
- ヤケ・折れ・研磨など状態はどうか
同じ「1巻初版」でも、仕様が違えば別相場になっていく。これは近年の漫画初版市場で特に重要なポイントです。
カグラバチは、その変化が速かったケース
『カグラバチ』1巻は2024年2月2日に550円で発売されました。
そこから海外人気、続巻、受賞、発行部数拡大、アニメ化という材料が積み重なり、2026年9月には条件の良い第1刷に数万円のSOLD例が確認される市場になっています。
この流れは別記事で、発売から現在まで時系列で整理しています。
▶ カグラバチ1巻初版はなぜ550円から数万円になった?高騰までの2年半を時系列で徹底検証
フリーレンが数年かけて「昔の1巻第1刷を欲しがる市場」を形成したのに対し、カグラバチは作品人気の拡大と初版コレクター需要がかなり早い段階から同時進行したケースとして見ることができます。
初版価格は「階段状」に動くのではないか
ここからは仮説です。
初版相場は一直線に上がるのではなく、
材料が出る → 注目される → 落ち着く → 次の材料で再評価される
という階段状の動きをする作品があります。
例えば、
- 2巻発売
- 3巻発売
- 重版・増刷
- 漫画賞ノミネート・受賞
- アニメ化発表
- アニメ放送開始
- 海外展開
こうしたイベントごとに新規ファンが増え、その一部が「作品の最初の1冊」を欲しがれば、第1刷が再評価される可能性があります。
だから今追うべきなのが『千仙戦記』
この仮説を、過去からではなく現在進行形で記録できるのが『千仙戦記』です。
1巻発売直後の状況はすでに記事に残しています。
▶ 千仙戦記1巻は初版狙い?発売前重版・在庫・相場を発売日に確認
今後見るべきなのは、現在の1,000円前後・1,200円前後といった短期価格だけではありません。
2巻発売で1巻第1刷が再評価されるか。3巻でも同じことが起こるか。賞やアニメ化、海外需要が加わった時に再び動くか。
ここを記録し続けます。
重要|1,200円がそのまま数万円になったわけではない
相場記事ではここを混同しないようにしたいです。
2024年のフリーレン1巻初版1,200円と、後年の高額な未開封・帯・付属品付き個体は、同じ条件の商品ではありません。
したがって「1,200円の商品がそのまま○万円になった」とは言えません。
正確には、2024年には1,200円で売れる1巻初版が存在した。その後、作品規模と初版コレクター市場が拡大し、状態や付属品によって別々の価格帯が形成されていったと見るのが適切です。
まとめ|初版の価値は「発売日」ではなく、作品の歴史の中で作られる
今回の記録を並べると、こうなります。
- 2020年:フリーレン1巻 594円で発売
- 2021年:マンガ大賞・200万部。未開封初版+特典が2,000円SOLD
- 2023〜2024年:TVアニメ第1期
- 2024年:1巻初版1,200円が約106日かけてSOLD
- 2024年末:まんだらけが人気タイトル1巻初版の高額化、海外コレクター参入に言及
- 2026年:カグラバチなど現行人気作品では、第1刷・帯・付属品・未開封まで細分化した市場が目立つ
初版は、発売した瞬間から価値が決まっているわけではありません。
作品が何年も生き残り、新しいファンが増えた時に「最初の1冊を持ちたい人」がどれだけ生まれるか。
その一方で、発売当時の第1刷や帯、チラシ、未開封個体は後から増えません。
この需要と供給の差が、数年後の相場を作るのだと思っています。
だからこのブログでは、上がった後の商品を紹介するだけではなく、まだ答えが出ていない段階から記録して、半年後・1年後・数年後に答え合わせすることを続けます。
※掲載価格は個別のSOLD事例です。状態、帯、付属品、シュリンク、特典など条件が異なるため、同一個体の連続した価格推移を示すものではありません。将来の値上がりを保証する内容でもありません。
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