※本記事は2026年9月時点の警察庁・都道府県警の公開情報をもとに作成しています。必要書類や手数料の納付方法、受付方法は地域や営業形態で異なる場合があるため、最終的には主たる営業所を管轄する警察署へ確認してください。
メルカリやオークションで物を売るようになると、よく出てくるのが「古物商許可って自分にも必要なの?」という疑問です。
結論から言うと、家にある自分の不用品を売るだけなら、古物営業から除かれるケースがあります。一方で、中古品などの古物を仕入れて継続的に売買するなら、古物商許可が必要になる可能性があります。
この記事では、初めて申請する人向けに、古物商許可が必要になる考え方、申請先、必要書類、費用、申請から許可までの流れ、ネット販売での注意点までを順番に整理します。
そもそも「古物」とは?
古物営業法上の「古物」は、単に古い物だけを意味しません。警察庁は古物を、一度使用された物品、使用されていなくても使用のために取引された物品、またはそれらに幾分の手入れをした物品と説明しています。
つまり、見た目が新品でも、一度一般消費者の手に渡った物が古物に該当することがあります。
公式確認:警察庁「古物営業法の概要等について」
古物商許可が必要な人・必要でない人の基本
自分の不用品を売るだけなら?
兵庫県警のQ&Aでは、古物の売却のみを行うことは古物営業から除かれると案内されています。
たとえば、自分で使っていた本、カード、家電、衣類などを整理して売るだけなら、直ちに古物商許可が必要になるとは限りません。
中古品を仕入れて売るなら?
一方で、中古品を買い取り、利益を得る目的で継続して売買する場合は古物営業に該当する可能性があります。
副業だから対象外、月に数回だから必ず不要、という単純な線引きではありません。仕入れ方法や営業の実態で判断されるため、迷う場合は申請前に管轄警察署へ確認するのが安全です。
公式確認:兵庫県警察「古物商の許可は、どのような場合に必要ですか」
漫画・トレカ物販ではどこを確認する?
古物には13の区分があります。警察庁の区分には、たとえば「書籍」「道具類」「時計・宝飾品類」などがあります。
漫画・古本は「書籍」として考えやすい一方、トレーディングカードなどは実際の取扱品目や営業内容によって確認が必要です。自分で判断して適当に区分を選ばず、申請前に警察署へ相談してください。
公式確認:警察庁「古物の区分」
古物商許可の申請先
申請は、主たる営業所の所在地を管轄する警察署で行います。
都道府県によって担当係の名称は異なりますが、生活安全課、防犯係などが窓口になります。
いきなり書類を全部そろえるより、先に電話して「個人で古物商許可を取りたい」「主に漫画・トレカを扱う予定」と伝え、必要書類や受付方法を確認しておくと手戻りを減らせます。
申請手数料はいくら?
警視庁と兵庫県警の公開情報では、古物商の許可申請手数料は19,000円です。
これは申請時に必要となる手数料で、住民票や身分証明書などの取得費用は別にかかります。また、都道府県によって支払い方法が異なるため、申請先の警察署で確認してください。
公式確認:警視庁「古物商許可申請」/兵庫県警察「古物営業等の規制概要及び各種申請手続き」
個人で申請する場合の必要書類
警察の公式案内を基準にすると、個人申請では主に次の書類を準備します。
- 古物商許可申請書
- 略歴書
- 本籍が記載された住民票の写し(マイナンバー記載なし)
- 誓約書
- 身分証明書
- 営業所の管理者に関する書類
- ホームページ等で取引する場合、URLの使用権限を確認できる資料(該当する場合)
本人が営業所の管理者を兼ねる場合など、実際に何部必要になるかは申請内容で変わります。
「身分証明書」は運転免許証ではない
ここは初心者が間違えやすいところです。
古物商許可申請でいう「身分証明書」は運転免許証やマイナンバーカードのことではありません。本籍地のある市区町村から交付を受ける証明書です。
本籍地が現在の住所と離れている人は、取得方法や郵送請求の可否を早めに確認しておくとスムーズです。
申請から許可までの流れ
- 自分の営業が古物商許可の対象か確認する
- 主たる営業所と取扱品目を決める
- 管轄警察署へ事前相談する
- 住民票・身分証明書などを集める
- 申請書・略歴書・誓約書を作成する
- 警察署へ提出し、申請手数料を納付する
- 審査を待つ
- 許可証を受け取る
兵庫県警の案内では、古物商許可の標準処理期間は40日とされています。書類不足や確認事項があると延びる可能性があるため、「来週から中古品を仕入れて営業したい」と思ってから申請するのでは遅い場合があります。
許可が必要な営業をする予定なら、余裕を持って準備しましょう。
申請書を書く前に決めておくこと
主たる営業所
自宅を営業所にする人もいますが、賃貸住宅やマンションの場合は賃貸借契約や管理規約で事業利用に制限がないか確認してください。警察への申請だけ通れば何でも問題ない、という話ではありません。
主として取り扱う古物の区分
申請書では取り扱う古物の区分を記載します。漫画中心なのか、カードやホビーも扱うのか、今後の営業予定も含めて管轄警察署へ相談して決めます。
管理者
古物商は営業所ごとに管理者を1人選任する必要があります。個人の一人運営でも、申請書上の扱いを警察署で確認してから記載しましょう。
ネット販売をする人は許可取得後も注意
古物商許可は「取ったら終わり」ではありません。
警視庁は、インターネットを利用して古物取引を行う場合、ホームページ上で公安委員会名、許可証番号、氏名または名称を表示する必要があると案内しています。
また、ホームページ等を使って古物取引を行う場合は、URLの届出や使用権限を疎明する資料が必要になるケースがあります。
メルカリ、オークション、自社サイトなど、使う販売先によって画面や手続きが違うため、許可取得後も「自分の販売方法では何を表示・届出する必要があるか」を確認してください。
公式確認:警視庁「古物商許可申請をされる方へ」
許可取得後に必要になる主なこと
- 営業所への古物商標識の掲示
- 取引相手の本人確認が必要な取引への対応
- 帳簿等への記録が必要な取引への対応
- 許可内容に変更があった場合の変更届
- ネット取引で必要な表示・URL届出への対応
特に中古品を個人から買い取るようになると、単に「安く買って高く売る」だけではなく、古物営業法上の確認・記録義務が関係してきます。
初心者がよく迷うポイント
Q. メルカリで売るなら全員が古物商許可を取るの?
いいえ。自分の不用品を売るだけのケースと、中古品を仕入れて営業として売買するケースは分けて考えます。
Q. 新品の商品だけを扱う場合は?
商品の流通経路や取引の実態によって扱いが変わり得ます。「未開封だから絶対に古物ではない」と決めつけず、継続的な物販を行う場合は警察署へ確認してください。
Q. 行政書士に頼まないと申請できない?
自分で申請することは可能です。公式の申請書・記載例を確認し、分からない部分を管轄警察署へ相談しながら進められます。
Q. 申請した日から中古品を仕入れて営業できる?
許可が必要な営業であれば、申請しただけで許可済みになるわけではありません。許可証の交付前に営業を始めないよう注意してください。
申請前チェックリスト
- □ 自分の営業が古物商許可の対象か警察署へ確認した
- □ 主たる営業所を決めた
- □ 取り扱う古物の区分を確認した
- □ 住民票は本籍入り・マイナンバーなしで用意した
- □ 本籍地の市区町村で身分証明書を用意した
- □ 略歴書・誓約書を準備した
- □ 管理者に必要な書類を確認した
- □ ネット販売をする場合のURL関係書類を確認した
- □ 申請手数料と支払い方法を確認した
- □ 許可まで時間がかかることを前提に予定を組んだ
物販初心者は「許可を取ること」と「利益を出すこと」を分けて考える
古物商許可を取得しても、それだけで物販が利益になるわけではありません。
実際の販売では、仕入れ価格、SOLD、送料、販売手数料、在庫期間、再販・増刷、商品の状態まで確認する必要があります。
漫画・トレカ物販の基本的な仕入れ判断は、次の記事でまとめています。
海外販売も検討している場合は、eBayの登録・出品・発送手順も先に確認しておくと、国内と海外の出口を比較できます。
まとめ|最初は管轄警察署への確認から
古物商許可の申請で最初にやることは、書類を大量に印刷することではありません。
自分の営業内容を整理して、主たる営業所を管轄する警察署へ確認することです。
個人申請では、申請書、略歴書、本籍入りの住民票、誓約書、身分証明書、管理者関係の書類などを準備し、申請します。申請手数料は警察公式情報で19,000円と案内されている地域があり、兵庫県警では標準処理期間40日とされています。
そして重要なのは、許可取得後も本人確認、帳簿、標識、ネット上の表示などの義務が続くことです。
「せどりを始めるから、とりあえず古物商を取る」ではなく、自分がどんな商品を、どこから仕入れ、どこで売るのかを整理してから申請すると、必要な手続きが分かりやすくなります。
次に読むならこちら
気になるテーマから、続きの記事へ進めます。


